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●現代車椅子の原型を生み出した車椅子メーカー

■こんにちは、PSプロダクツの川畑です。 気候変動による夏の苛烈な暑さがやっと過ぎ去ろうとしています。 今年は本当に暑かったですね。
また、現在も被害が出ていますが、全国的に大雨の影響を受けるようになりましたね。
皆さまの周囲では何か影響はありませんでしたか?被害の1日も早い復旧を切に願います。

さて、今月は現代車椅子の原型を生み出した車椅子メーカーのお話をしたいと思います。
現在流通している車椅子の99%が、布張りのシートを持ち上げると左右のフレームが中心方向に折り畳まれる、「折りたたみ式車椅子」です。
英語で「Folding Wheelchair」と呼ばれるこの車椅子がいつ頃誕生してどのように世界中に普及したのか、以下、ご紹介していきたいと思います。

現代車椅子の原型を生み出した「Everest & Jennings社」 現代車椅子の原型を生み出した車椅子メーカー。
その名前は「Everest & Jennings社」。 この社名には、現代車椅子を初めて生み出した二人のエンジニアの名前が冠されています。
この、二人のエンジニア ー エベレストさんとジェニングスさんが現代車椅子を生み出すまでのストーリーを、ちょっと見ていきましょう。

エベレストさんとジェニングスさんは友人同士で、二人ともエンジニアでした。1918年、エベレストさんは鉱山の調査中に崩落事故に遭い、脊髄を損傷してしまいます。 当時の車椅子は以下の写真のように家具調の椅子に車輪をつけただけのもので、外出することすらままならないものでした。


写真:当時の典型的な車椅子 / 引用元:History And Evolution Of Wheelchairs

先に触れたように、エベレストさんは不幸な事故により脊髄を損傷してしまいました。 しかしエベレストさんとジェニングスさんの二人は、障害を負ってもエンジニアとしての活動を再開できるよう、新しい車椅子の開発に着手。ジェニングスさんの家のガレージで開発に没頭します。1930年のことです。

そして3年後の1933年、二人はついにこれまでになかった画期的な車椅子の開発に成功します。それがこのモデルです。


写真:開発したモデル / 引用元:Wheelchairs: from engineering to inclusive design

この車椅子の開発によって、それまで外出することもままならなかった障害者が外出できる可能性を手にすることができたのです。
ガレージから始まった車椅子の会社が世界シェア90%のグローバル企業へ ガレージカンパニーとしてスタートした同社は、車椅子製造の特許を取得し、大量生産に乗り出します。そして、1930年代以降第二次世界大戦で多く生じた傷痍軍人(しょういぐんじん)の車椅子として、大量に製造されました。

第二次大戦後には世界中で販売され、一時は世界シェアの90%以上を占めるまでになります。 しかし、1973年からアメリカ司法省による独占禁止法違反容疑による捜査が始まり、1977年に正式に独占禁止法違反が告知されます。 その後も裁判で争われますが、1979年に結果が確定し敗訴。同社の独占的な支配構造は終わりを迎えます。 EJ社が残した巨大な足跡 しかしながら下記の写真を見てください。

1950年代のEJ社の広告と、現代の広告のどこに違いがありますか? 現代車椅子の基本的な構造が、まさにそのまま引き継がれていることがわかります。 つまり、EJ社は巨大な足跡を残したのだ、ということが実感されることでしょう。


白黒写真:1950年代のEJ社の広告 カラー写真:現代の広告で用いられるイメージ

車椅子の未来 EJ社が折りたたみ車椅子を開発してからすでに90年。 車椅子も次のステージに移行するべく、新たな開発をし続けなければなりません。 新しい時代にふさわしい新しい車椅子の開発が待たれます。


*** PSプロダクツは最新の車椅子事情に通じ、社員一同常に知識と技術のアップデートを続けています。 「自分に合った車椅子がほしい」、「車椅子をオーダーしてみたいがどうしたらいいかわからない」などのご要望のほか、「車椅子以外の福祉用具の相談に乗って欲しい」といったご相談などもぜひお気軽にお声がけください。


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利用される皆様のご要望をお伺いし、何を重視し、何をポイントに見極めて選択するべきかを、お客様お一人お一人にあわせ一緒に考えてまいります